プラント設計の超基礎!プラントとは?初心者の疑問を人体に例えてわかりやすく解説!

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プラントエンジニア

プラントエンジニアリング会社に就職を考えている方や、若手社員が、実は最初につまづくこと。

それは、

プラントって何ですか?

どんな仕事をしていますか?

普段の生活とは縁がないからこそ、想像ができずに不明確なままプラントをとらえています。

今回の記事で、プラントの本質を徹底解説しますので、他では得られない超速理解を期待してください。

これは新入社員を部署に迎えた先輩たちにも指導に役立つ知識ですので、ご活用ください。

そもそもプラントとは、何なのか?

プラント=工場、と言い換えることができますが、工場って何するところなの?となってしまうと思います。

私なりに定義すると、以下のようになます。

「インプット資材から目的のアウトプットを生み出す、機械化された建設物」

例えば車の製造工場で説明します。

・インプット資材とは、工場で生産する主要な金属材料であったり、購入してきた部品類となります。

・目的のアウトプットとは、製品のとなる自動車のことです。

・機械化された建設物とは、加工、塗装、組み立てなど各工程における機械設備、それを制御する電気設備、建物自体すべてを含めたものです。

他には、火力発電施設で説明します。

・インプット資材は、石油になります。

・目的のアウトプットは、発電された電力です。

・機械化された建設物とは、石油を燃焼する設備や、発電機、排ガスを処理する機械とその他すべての設備のことです。

なんとなくでもご理解いただけましたでしょうか。

必ずしも形ある製品だけでなく、電気を作ったり、廃棄物処理など付加価値を生み出せれば、プラントということになります。

そして、機械による自動化で、人力ではできないレベルの大量生産可能なよう大型化された施設なのです。

プラント建設まで過程を超シンプルに解説!

続いて、プラントができるまでの過程を超シンプルに説明していきます。

本当は、受注してからアフターサービスまで各種段階がありますが、プラントが竣工(完成)するまでに焦点を当てた説明とします。

  • 1.基本設計
  • 2.詳細設計
  • 3.製作
  • 4.試運転
  • 5.竣工(完成)

まず、1つ目の基本設計についてです。

設計を始めるにあたり、定義付でも説明した通り、目的のアウトプットがあるはずです。

発電設備を例にとると、原料を受け入れ、燃焼させ、熱エネルギーを電気に変換し、燃やしてでた排ガスを処理します。

このような機能を持つ各種機械を流れに沿って並べます。

これを設備フローと呼びます。

このフローの中で、各機器に対し、物質やエネルギーが出入りしていますので、物質収支やエネルギー収支を計算していきます。

少し話が変わって、プラントを立てるにあたり、立地条件が必ずあります。

建物が小さいほど安く建設することにもなりますので、状況に合わせて、設備フローに沿った、機器配置を行います。

ここでは超シンプルに、基礎設計とは、設備フロー、物質収支、機器配置、ということにします。

当然他にも検討しなければならないことは、たくさんありますが、とりあえず、主要なところを押さえて抑えてください。

続いて2つ目の詳細設計です。

基本設計では、まだ具体的にものが決まりませんので、詳細の部分を確定していきます。

最初に機械について例を挙げていきます。

先ほど、エネルギーを電気に変換する機器がありましたが、ここではタービンを購入することになります。

(補足しますと、プラント設計では、各機器は外からの買い物になります。コアな技術に関しては自社設計品で製作は専門の業者に任せることになるのです。)

タービンの購入にあたり、先ほどの物質収支から必要なスペックを決めます。

(スペックを決めるまでが基本設計という場合もありますが、便宜上、こちらで解説します。)

そのスペックを満たす機器を契約すると、その図面が出図されます。

条件を満たすか、配管とどうつなげるか、細かい部分をチェックして図面を完成させていきます。

このようにすべての機器の図面を完成させること、その機器と機器をつなげる配管やらダクトやらの設計することも、詳細設計です。

もちろん、機器だけでなく、次の章で説明する、土木建築設備、電気計装設備も詳細設計により確定させます。

3つ目の、製造の過程は、設計の手が離れている場面です。

各機器で言えば製造は各購入先で行われます。

エンジニアリング会社での仕事は、工程通りに進んでいるか管理し、完成時に検査を行い、図面通りできているかをチェックします。

(管理や検査は、設計部門でない部署でやる業務です。)

次に、ここでは、製造の過程に含めていしまいますが、この完成した機器は、プラントの建設現場に搬入され、据え付けられます。

(この建設工事も、プラントエンジニアリング会社の醍醐味であはありますが、設計の立場から、製造の一環で表現しました。)

このようにして、機器が完成し、現場に設置されます。

4つ目の試運転です。

実際にモノとしては完成していますが、問題なく動作するかは、まだわかりません。

プラントとは一品一葉で、各種条件が異なるため、類似施設に対してもブラッシュアップしていることが多いためです。

確実に性能を満足するか、試運転を経て性能確認試験を合格する必要があります。

受電してから、各種機器の単体確認を行い、続いて無負荷連動試験(から運転)を行います。

その後、実負荷運転を経て、性能を満足していることを確認します。

自動制御の設定を行いますが、何かしら上手くいかない部分が発生しますので、さらなる調整をしたり、場合によっては改造したりします。

会社によっては、試運転専門の部署がありますが、私の会社は設計部隊が試運転を行います。

最後に、竣工となりますが、竣工を経て実際の営業運転が開始されるわけです。

プラント設計の主要な範囲は、機械、建築、電気!

プラント設計する上で、特に混乱するのが他分野にまたぐ範囲の広さです。

プラント設計に携わる方は、大学を出ていることがほとんどですが、機械であったり、化学、電気、土木建築と、各種専門を学んできています。

実際に仕事の中心は各専門であることは間違いないのですが、それ単独では機能しないのです。

機械はたいていモータ(電動機)の回転で動きますが、これを動かくすのは電気です。

機器は単独で宙に浮いているわけではないので、建物の床の上に乗っているのです。

ここでは、主要な設計項目となる範囲を説明します。

  • 1.機械設計
  • 2.電気計装設計
  • 3.土木建築設計

1つ目の機械設計は、主に以下の範囲になります。

・機械

役割があり、それを果たす機構を持ったもの。

・配管・ダクト・シュート

機械通しをつなげ、搬送物の通り道。液体だけでなく、粉体、個体も流れる。

当然、この機械や配管を、建物に固定する必要あり、サポートと呼ばれる部材で固定します。

2つ目の電気計装設計とは、主に以下のことを言います。

・電気設備

モータを回すための電力を各機器に配線を通じて供給します。

電気をいったん受ける受電設備や、発電した電気のやりくりなど回路図により設計しています。

・計装設備

計装品と呼ばれる温度計、流量計、圧力計などの各種センサー。流量を調整する、調節弁なども含まれます。

センサーの数値をインプットに、機器の回転数や弁の開度をアウトプットする制御装置も主要設備です。

3つ目の土木建築設計は以下になります。

・構造

建物は主に、鉄筋コンクリート(RC造)と鉄骨(S造)でできています。

機械の重量情報(ローディングデータ)に基づき、強度計算を行い、最適な鋼材で建物を設計します。

・意匠

意匠は言い方を変えるとデザインのことです。

建物の外観や内装の仕上げ、扉の配置や種類まで細かく決定していきます。

本当はそれぞれ細かく設計していくものですが、もの凄く大雑把に区分けしました。

しかしながら、これでもまだ、わかにくいと思います。

安心してください。

ここからとっておきにわかりやすい解説に入ります。

プラントを人体に例えて超速理解!

私が若手社員に説明する際、好評だった方法でプラントを説明します。

プラントを人体に例えることで、全体像を簡単に捉えることができるのです。

  • 1.機械・配管 = 内臓・血管
  • 2.電気計装  = 感覚、神経、頭脳
  • 3.土木建築  = 骨格、外観

1.機械・配管

機械とはある役割を持った装置ですので、内臓に見立てることとができます。

例えば胃は、食べ物を消化する器官ですので、さながら燃焼設備の炉で燃料を燃やすような役割と言えるでしょう。

そしてものを燃やすうえで空気が必要になってきますが、燃焼空気はダクトを通って、送られます。

このダクトを人体で言えば、気管にあたります。

他にも流体を流す配管は、さながら血管のような役割を果たします。

2.電気計装

計装品としての各種センサーがありますが、これは人体の五感にあたります。

人体は、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚で情報を得ていますが、プラントは機器や配管内の温度、圧力、流量などを常時監視しています。

各種センサーとは電気配線でつながっていますが、人体で言えば神経ということができます。

そして制御盤から適切な数値になるように自動制御しているのです。

これはさながら、体温調節を勝手にしていたり、焦点を自動で合わせる機能に似ています。

これら制御をつかさどるのは、まさに頭脳と言えるでしょう。

3.土木建築

鉄筋コンクリートや鉄骨の構造物を人体に例えると、骨格と言えます。

しっかりと体を支え、内臓を保持しています。

意匠を人体に例えると、皮膚や髪の毛となります。体を覆い、体を守るとともに、外観そのものとなります。

さいごに

プラントは身近でないため、イメージしにくいと思います。

このように身近なものに例えることで、理解が深まると思います。

本記事では、人体はプラントの縮図であったり、相似形となっていることをお伝えしました。

このように世の中を俯瞰して見られると、より高度な視点で考察できますので、お勧めです。

今後の業務の一助となれたなら幸いです。

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